a☆u★c〜全部請け負う部活動!!〜
桑島は困ったように、しかし何処か嬉しそうに穏やかに微笑むと、階段を駆け上がっていく明衣の後ろ姿を見つめた。
──生徒を守ってやりたいと思う気持ちと、一緒なのだろうか………
慶一の手が、少しだけ淋しくなってきた毛髪を掠めるように動いた。
可愛い、小さな手がペタペタと首筋を叩く。
「かわいーなぁ」
桑島はだらしなく頬をゆるめ、ガラガラを振った。
***
「おっはよぉ明衣ちゃん!」
「五月女……おはよ」
教室に向かい、廊下で五月女に出会った明衣は、朝から楽しそうな彼に対し、比較的落ち着いた物言いをした。
「桑島先生慶一のお父さんみたいだったね♪」
にっこりと微笑む五月女。
その嬉しそうな顔に、明衣もつられて笑った。