a☆u★c〜全部請け負う部活動!!〜
五月女はいつも笑っている。
ボケをかますときも、大変な面倒な依頼が来ても、雑用同然の仕事をしてるときも。
そんな彼が、真剣な表情で慶一の母親を探したいと言った時は、本当に驚いた。
彼にもこんな顔が出来るのか、と。
いつもニコニコと笑顔を絶やさない彼が、あんな風に口を一文字に結んで。
──もっといい加減な奴かと思ってた
明衣は、教室のドアの横にぶらさがる表札を見ながら、ふぅと小さく溜息を吐いた。
「おっはよー!明衣、見た見た?桑島の格好!」
数人の女子が楽しそうな表情で明衣に駆け寄ってくる。
明衣は頷いた。
「見たよ。笑えるよね、リトルなら卵暖めてるほうが似合うよ」
「ぶっΣΣ!!超ウケんだけど〜!!」
「明衣、失礼だよ〜」
爆笑しつつも明衣に注意する美帆子。
大きくなったら、慶一もこうやって友達と笑い合える日が来るのだろうか。
明衣はふと思った。