Magic Academy ~禁書に愛された少女~
学園長の後ろ姿を見つめながら、そらは少しだけ困惑した表情になる。


禁書って、シークのことだよね。
ってことは、禁書はもうないわけで。

…大丈夫かな。


しばらく歩いたところで、学園長がふと足を止めた。そらも首を傾げながら、その後ろで足を止めた。

「ここに、禁書が封印されているそうよ」

学園長が立ち止まった場所はそらが初めて倉庫に迷い込んだ時の場所だった。

「………」

そらはシークがいたはずの場所をじっと見つめた。そんなそらの姿を見て学園長は少しふふっと笑うと、ぽつりぽつりと話を始めた。

「学園の七不思議の一つである禁書のこと、あなたにはちゃんと伝えておかなくちゃね」

「え…?」

学園長の言葉に、そらはどういう意味かよくわからずに、じっと学園長の方を見た。
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