Magic Academy ~禁書に愛された少女~
「えっと…結局、どれが正しいんですか?」

そらの問いかけに、学園長は少し苦笑いを浮かべる。

「そうね、残念だけど、それを確かめるすべはないわ」

「へ?」

間の抜けたそらの声に、ごめんなさい、と学園長は肩をすくめた。

「だって、本人にそれを聞くことができないもの」

学園長はシークが封印されていた辺りをじっと見つめて言った。

「誰にも見えない幻の禁書。本当に存在しているのか、確かめる術はないし、当時のことを知っている人間ももういない。そうなっちゃうと、真実はどうやって見つければいいのかしらね」

呟いた学園長の横顔を、そらはただじっと、見つめた。
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