Magic Academy ~禁書に愛された少女~
「え?」

パチッと目を開ける。目の前に広がっているのは、あの、水晶に現れていた、倉庫の映像とまったく同じものだった。

「え゛」

最初のイメージは支給室だった。
が、飛ぶ瞬間、行ったこともない倉庫のイメージがなぜか脳裏をよぎり、なんとそこに飛んでしまったようだった。

「ええええぇぇぇ!」

初めてテレポが成功した。それは素直に嬉しい。

が。


ここどこ!?


慌てて辺りをきょろきょろと見回してみる。が、まったく覚えの無い場所で、どうしたもんかと途方にくれる。

『こっちだ』

どこからか、声がした。そらは慌てて声のした後ろを振り返った。

「…誰かいるの?」

声をかけてみるが、返事は無い。恐る恐る声のした方へと、足を踏み出す。

『そら、待っていたよ』

さっきより大きく、はっきりと声が聞こえた。歩いていると、ふっとその先に、光りを放つ1冊の本があった。

「まさか、あの水晶に映ってた本!?」

本のそばに慌てて駆け寄る。すると、さっきまでの声が、さらに大きく、本から聞こえてきた。

『よくきたな、そら。さ、早く封印をといてくれ』
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