Magic Academy ~禁書に愛された少女~
「…はい?」

そらが首を傾げる。
言っている意味が良くわからない。

『はい?じゃなくって、早く封印を解いてくれって言ってんだよ』

口が悪くなった。…本の。

「本が喋ってる…」

いろんな状況が飲み込めないでいると、本がイラだった口調でそらに言ってきた。

『いいから、とにかく目の前の本を持ち上げて!』

「え、やだ」

とっさに、思わず断るそら。本が、何で!と切れてきた。

「いや、だってさ。そうやって何かさせて、解いちゃまずい封印をとかせたりする~なんてことがあったりするらしいからさ。知らない人、じゃないけど、本の言うことはきけません」

きっぱりとそらが断ると、倉庫の外でバタバタとなにやら音がしているのに気づいた。

「どうしたんだろ?」

『お前、退学になるぜ』

「は!?なんで!」

本の言葉に思わず大きな声を出してしまう。倉庫の外が、さらにざわざわとざわつくのがわかった。

『ここは立ち入り禁止の法具倉庫なんだよ。そこにお前が侵入したから、教師連中が集まってきたんだろ』

「うそっ!?ど、どうしよ…」

そうだ、と、一生懸命支給室を思い浮かべる。が、うまくテレポが発動しない。

「だー、もう、どうしよう!テレポが使えない!」

涙目になるそら。軽いパニックであたふたとしていると、本が声をかけてきた。
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