Magic Academy ~禁書に愛された少女~
「これ…!」

スレイプニルに連れられてきたのは学校の校庭の真上だった。
真下にある校庭は、鈍い光を放っていた。

「この声…?」

つい昨日聞いたばかりの声。

「ローラ??」

小さく、かすかにだが。
確かにローラの声がしていた。

「ローレ…ライ」

ぼそっと呟き、うみたちの様子がおかしい理由がわかった気がした。

『そうだよ、そら。ローラの歌声で、この辺り一体にいる人間はみな、夢と現実の狭間に囚われた』

「え!?」

『大丈夫、死んだりしない。数時間で、目が覚めるはずだ』

シークの言葉に、そらはほっと安堵する。

「あれ?でも、それじゃなんで私は…」

言いかけたその時だった。
すぅっとスレイプニルが校庭に私を下ろした。

「きゃぁ!」

そして同時に。
眩く校庭が光だし、信じられないぐらいに色鮮やかに輝きだした。



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