Magic Academy ~禁書に愛された少女~
『あの封印は、俺の存在を外界から遮断するためのもので、人の目にはみえないように施されていたんだ』

シークに言われて、じゃぁなぜ、自分には見えたのかと疑問が浮かぶ。

『なんで自分に見えたのか、不思議なんだろ?』

「な、なんでわかったの!?」

『簡単なことだ。お前に見えたのは、お前にしか解けない封印だったからだ』

シークに言われて、意味がわからず首をかしげた。

『世の中にはそういった封印魔法もあるってことだよ。お前が俺を見つけ、触れてくれたおかげで、俺はまた、この世に出ることができた』

シークのどこか感慨深げな口調に、そらはただ、ふーん、と相槌を打った。

「で、シークはこれからどうするの?」

聞くと、シークはうーんと唸っていた。

『正直、この封印を解いてもらうことが目的だったからな。その後のことは考えてなかったよ』

「じゃさ、しばらくここにいる?」

そらがシークに聞いてみると、少しの間の後、シークから返事が返ってきた。

『いいのか?俺がここにいて』

「なんで?なんかまずいの?」

聞くと、シークは、いや、と短く答えた。

「んじゃ、ここにいて、私の喋り相手にでもなってよ」

正直、封印が施されていたような代物だ。何か恐ろしいことが起こるかも知れないとも思ったが、自分が迂闊にも封印を解いてしまった以上、それをそのまま放っておくのはまずい気がした。
それに、少々性格に難ありっぽいが、喋る本のペットができたとでも思えば、愛嬌もあると思い、そらはシークにそう、提案したのだ。

『それじゃしばらく、世話になる』

シークは少し照れくさそうな声でそう言った。
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