Magic Academy ~禁書に愛された少女~
「じゃ、シークは魔法書なんだ」

部屋の片づけをしながら、シークとお喋りをしていた。

シークはそこそこ有名な魔法書だったが、いろいろあって封印をされ、今のアマダスの法具倉庫に、人目につかないようにひっそりと、隠されていたらしい。魔法書なだけあって、知識はかなり豊富で、いろいろ、以前から疑問だったことなんかも教えてくれた。

ある程度片付いたところで、ふぅ、と、一息つく。すると、入り口のドアがこんこん、と鳴った。

「はーい」

ドアを開けると、そとにはうみが立っていた。

「そろそろ時間が来るし、食堂に行こうぜ」

「うん、ちょっと待ってて」

ドアを閉じて、手を洗い、タオルを机の上に置く。

「シーク、ちょっと私、ご飯行ってくるね」

小声でシークに声をかけると、シークは面白そうだ、と小さな本の形のチャームがついた、ネックレスに変わった。

『俺も連れて行け』

「は!?何言って」

文句を言いかけたとき、うみがまだかー?と、扉の向こうから声をかけてきた。

「…んもう!」

急いでネックレスをつけて、部屋を出た。

「ごめんごめん、お待たせ」

「おう、急ごうぜ」

そう言って急いで食堂へと向かった。
< 18 / 199 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop