Magic Academy ~禁書に愛された少女~
食堂に行くと、少し離れたところにアッシュの姿がを見つけた。向こうもそらの存在に気づいたみたいで、アッシュがこっちに向かって、ひらひらと手を振ってきたので、そらもひらひらと振り替えした。

(なんだ、知り合いか?)

頭の中にシークの声が響いた。

(うん、入学式の後にちょっと知り合ったの)

にこにこと笑顔でスカナの話を聞いた。意外と寮則はゆるいようで、門限と魔法を使用しない、という2点さえ守れば、特に厳しい決まりは無いらしい。

「というわけで、自己紹介をしていこうか。まずは、新入生からお願いしよう」

そう言って、A組から順に挨拶をしていく。トップバッターはアッシュだった。
順番に進んでいき、次はC組の男子生徒の番に。よく見ると、入学式の時に、残っていた1人だった。

「1-C、ドルイドです。よろしくお願いします」

短い自己紹介を終え、ぺこっと頭を下げる。少し無愛想な感じだが、目鼻立ちはしっかりとして整っており、男前な雰囲気をかもし出していた。

新入生・在校生どちらも自己紹介が終わると、机の上にパッと料理が広がった。

「基本的に、食事はメニューに載っている料理を参考にしてもらっているが、載っていない料理でも、うまく作れるようなら、全然作って食べてもらってかまわない」

そう言って、目の前に出てきている料理を、スカナは指差した。

(なるほど、イメージした料理が、そのまま食卓に並ぶというわけだな)

シークの声に、なるほど、と頷くそら。

「では、今日は無礼講だ。好きなだけ飲んで、食べてくれ。新入生諸君、ようこそ、ヴァルホルへ!」

スカナの言葉と共に、陽気な音楽が流れ始めた。
皆一斉に食事を始めた。
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