Magic Academy ~禁書に愛された少女~
(力を抜いて。全ての魔力を注ぎ込もうとするな。ふたをする程度の魔力でいいんだ。そらなら、親指程度の魔力で十分だよ)

シークに言われて、そんなわけないじゃん、と、思わず笑いそうになった。
すっと深呼吸をひとつ。
そらは落ち着いて杖を筆に向ける。

(親指程度の魔力、ね)

シークに言われたとおり、力を抜いて魔力を注入するための言葉を短く言い放つ。

「インジェクト」

すると、今まで見たことの無かった光りを、札が放った。これまでは真っ黒になってばかりだった札が、今回は綺麗な白色のままで、ちゃんと印も消えずに残っていた。

「やった、できた、できたかも!」

おおはしゃぎで先生の所へ持っていくと、先生も絶賛の出来だった。

(やった、シーク、作れた!)

シークに話しかけると、良かったな、と、返事が返ってきた。

「さぁ~て、あとの2つもさくさくっと作っちゃいましょ~!」

1つ成功したからか、そらは浮かれモードだった。
が、コツをつかんだのか、残りの2つも失敗することなく、うまく作製できた。
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