禁じられた遊び
プロローグ
桃香Side
教室にある椅子と机が床をスライドしていく大きな音が響いた
あたしが、10個以上の椅子と机を動かしたのだ
頭にまで響く脚と床が擦れる音の合間を縫って、あたしの小さな悲鳴も参加する
あたし…こと、西岡 桃香(にしおか ももか)が壁に背中を打ちつけた
衝撃と痛みで、あたしは顔をゆがませた
力の入らない体は、ずるずると床に尻から落ちていった
あたしの二つにわけて結ってある髪が左右に揺れている
強い癖っ毛のせいで、栗色の髪はまるでパーマをかけたようにクルクルしている
前髪はストレートになるように無理やり伸ばしてから、斜めに流してピンクのラメで光る星型のピンでしっかりと留めていた
前髪で額の半分以上が隠れている
理由は簡単
隠したいから
だって額に消えない傷がある
あたしは大きな瞳で、目の前に立っている義兄を見上げた
ううん、睨んでやった
背骨がズキズキと痛みを訴える
「お前、俺を無視しただろ?」
言いがかりだ
あたしは誰も無視なんかしない
「して…ない」
やっとの思いで、息を声に変換した
あたしはキッと目に力を入れると、床に手をついて立ち上がった
あたしが、10個以上の椅子と机を動かしたのだ
頭にまで響く脚と床が擦れる音の合間を縫って、あたしの小さな悲鳴も参加する
あたし…こと、西岡 桃香(にしおか ももか)が壁に背中を打ちつけた
衝撃と痛みで、あたしは顔をゆがませた
力の入らない体は、ずるずると床に尻から落ちていった
あたしの二つにわけて結ってある髪が左右に揺れている
強い癖っ毛のせいで、栗色の髪はまるでパーマをかけたようにクルクルしている
前髪はストレートになるように無理やり伸ばしてから、斜めに流してピンクのラメで光る星型のピンでしっかりと留めていた
前髪で額の半分以上が隠れている
理由は簡単
隠したいから
だって額に消えない傷がある
あたしは大きな瞳で、目の前に立っている義兄を見上げた
ううん、睨んでやった
背骨がズキズキと痛みを訴える
「お前、俺を無視しただろ?」
言いがかりだ
あたしは誰も無視なんかしない
「して…ない」
やっとの思いで、息を声に変換した
あたしはキッと目に力を入れると、床に手をついて立ち上がった
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