禁じられた遊び
むしろ今のうちに、小山内君と気持ちを確かめ合わないと……私は、一人ぼっちにされてしまう気がしてならない

桃香ちゃんの存在が、小山内君の中で大きくなっている

だから
桃香ちゃんと小山内君が関係を持つ前に……

って、私、何を考えてるんだろう

嫌な女丸出しじゃない

克波の気持ちが桃香ちゃんに向いているって思ったら、イライラして

そうじゃないとわかった途端に、また克波を突き放して


今度は小山内君

小山内君も自分から離れてしまうんじゃないかって思ったら……

お母さんと同じ人生を歩みたくないとか、そんなこと関係なくなって

小山内君の気持ちを自分に向けさせようと必死になってる

今だって

小山内君のマンションの前に私は立っている

でも訪ねる勇気はなくて……

「小花?」

背後から、低い声がしてきた

私は勢いよく振り返ると、制服を着ている小山内君が立っていた

「あ……」

「どうしてここに?」

「…うん、帰りたくなくて」

私らしくない発言

なに、可愛いふりをしているのよ

『帰りたくない』って、コンパで持ち帰りされたい女のセリフでしょ?

もしくはエッチをしたい女の戯言よ

「あがっていく?」

小山内君が、ひとさし指を上に向けた

自分の部屋をさしているつもりなのだろう

私は頷くと、小山内君の腕に絡みついた

いいよね?

小山内君に守られる女になっても……お母さんとは同じじゃないよね?

男にとっての都合の良い女になんかなってないよね?

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