禁じられた遊び
瞼を持ち上げると、私は小山内君の……勇人の腕の中にいた

布団に包まるより、勇人の腕の中のほうが心地が良い

「ごめん…私」

「気持ち良かった?」

勇人が優しい声で口を開いた

「うん、もちろん
でも勇人は?」

「気持ち良かったよ」

勇人の腕に力が入る

ぎゅっと、私を抱きしめてくれる

ちょっと苦しいけど、気持ちがよかった

誰かに愛されるって、こんなに気持ちがいいものなんだね

お金のためにするセックスとは全然違う

身体も心も満たされて、離れたくないって思っちゃう

「こんなに早く、小花と一緒になれるなんて思わなかった」

「私も」

私たちは互いの目を見ると、笑い合った

「何か心境の変化になるようがことがあった?」

勇人が私の髪に触れた

「いろいろあり過ぎだよ
克海とのこともあるけど、一番は……」

『好きな男に頼れないくせに、強がっても意味ねーじゃん
勇人さんが好きなら、勇人さんに守ってもらえよ
無駄な行為なんてしないで、さっさと勇人さんのモンになっちまえよ!
見てて、腹立たしいんだよ
イラつくんだよ
俺に守られたくないなら、さっさと勇人さんのとこに行きやがれ』

克波の言葉が耳につく

脳裏には克波の顔が焼き付いている

克波に言われてなかったら、今頃、克海に抱かれていたのかもしれないね

あとは桃香ちゃん

桃香ちゃんを見ていると、私が今まで築いてきた生徒会を壊されてしまうそうで怖かった

勇人をとられてしまうんじゃないかって、すごく不安になった

だから大胆な行動に踏み切れたのかもしれない
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