禁じられた遊び
「とりあえず近くにあったドラッグストアで買いこんできました」

あたしは部屋に入ると、どさっとビニール袋をテーブルの上に置いた

「ああ、サンキュ」

ハート型のベッドに横になっていた克波さんが、上半身を起き上がらせた

「何から何まで、わりぃついでにさ
風呂もいれてくんない?
ゴミ溜めに捨てられたから、くせえんだよ」

「骨折しているのに、お風呂ですか?」

「折れてたって、入りてぇもんは入りてぇだろうが」

「そうですけど」

平気なのかな?

「まあ、シャワーでいいからさ
手伝ってよ」

「ええ?」

「んだよ、素っ裸になんのは俺だろ?
桃香は、バスローブを使えよ
服、濡れたら大変だから」

「は、はあ…」

「将来、夫の介護をする練習だと思ってやればいいだろ」

「なんですか、それ」

「緊張すんなってこと
変に緊張されると、こっちも変な気持ちになるだろ」

「なるんですか?」

「一応、年頃の男子だからな」

克波さんがにやりと笑った

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