禁じられた遊び
「ねえ、やっぱり病院行こうよ
あ…テツさんは?
救急車は呼べないけど、テツさんならきっと車で…」

「ああ……知り合いの病院に行くよ
足が痛くて…痛み止めが欲しい」

克波さんが苦笑する

額にはうっすらと汗をかいている

きっと、つらいんだ

あたしは携帯を取り出すと、テツさんに電話をした

「桃香ちゃん?
どうしたの?
またお義兄さんに?」

「いえ…違います
お願いがあって…クラスメートの九条克波さんが大けがで、病院に行きたいんですけど
救急車は呼べなくて…」

「わかった
僕が車を出すよ
どこに行けば、いいのかな?」

テツさんは優しい

明るい声で、すべてを受け入れてくれて

声を聞くだけで、ほっとしているあたしがいた

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