禁じられた遊び
「桃香、生徒会室で余計なモノをテーブルに広げるな」

「す…すみません」

桃香ちゃんが、慌てて数学の教科書とノートを閉じると、鞄の中にしまった

「おいっ、桃は悪くねえよ
俺が勉強を見てやるって言ったんだ」

「九条はさっさと仕事をしろ」

桃香ちゃんをかばおうと、克波は席を立つと、勇人が怒鳴った

克波も眉間に皺を寄せると、鋭い目で勇人を睨んだ

「はあ? やってらんねえな…あんたは自分勝手すぎるんだよ
何、一人で苛ついてんだよ
好きな女と一緒になったんだろ?
少しは色ボケでもしてろよ
そんなに予算案が欲しいなら、自分でやりやがれってんだよ!
俺はぜってぇー、やらねーよ」

克波が勇人に背を向けた

どうして?

何で?

今まで、仲良くやってた二人なのに

私が手伝う隙も与えないくらい、二人で生徒会を運営していたのに

どうして、こんなことになっているのよ

私の視線は、ゆっくりと桃香ちゃんに向かった

桃香ちゃんがいなければ、二人の仲はもとに戻るの?

「あ、あのっ、あたしがやりますから
すみません
ごめんなさい」

桃香ちゃんが泣きそうな顔で、頭を下げた

「桃、いいんだよ!
こんな我が儘男の言いなりになる必要はねえよ」
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