禁じられた遊び
「他人の心なんてわからねえよ
ただ恐怖に怯えて、『助けて』って言葉すら発せられない気持ちは理解できる」
「九条家の男はみんなイカれているわ
理解している振りだけで、本当は何もわかってないのよ」
克波の視線が、私からそれた
ふぅっと息を吐いた克波が、自嘲した笑みを浮かべた
「小花さん、何か誤解して……」
「うるさいなぁ! 貴方に、関係ないでしょ」
あ。
…どうしよう
つい怒鳴っちゃった
桃香ちゃんの方がびくっとなる
怯えた目で、私を見ている
「そういう目で見られるの、大嫌いなのよ
いつでも被害者ぶってるから、西岡みたいな男に付け込まれるのよ
被害者面していれば、誰かが助けてくれるとでも思っているの?」
「小花!」
克波が怒鳴った
怖い顔をして、私を睨んでいる
初めてだわ
克波にそんな目で見られたの
「大きな声で、その場を支配しようとしたって無駄よ」
「それ以上、桃を傷つけるな」
「今までも、そうやって被害者ぶって助けてもらってきたのね
だから今回も、運よく西岡から守ってもらって、ずるい女よね
この世の中には、もっと辛い思いをして…助けてももらえず、自力で生きて行ってる人間だっているわ」
「いい加減にしろっ!」
克波が私の前に立ちはだかると、大きな手のひらで頬を叩いた
乾いた音が、生徒会室に響いた
どうして?
何で?
私は、自分の意見を言ったまでよ
なんで克波がそんなに怒るのよ
そんなに桃香ちゃんが好きなわけ?
私よりも、桃香ちゃんがいいわけ……?
ただ恐怖に怯えて、『助けて』って言葉すら発せられない気持ちは理解できる」
「九条家の男はみんなイカれているわ
理解している振りだけで、本当は何もわかってないのよ」
克波の視線が、私からそれた
ふぅっと息を吐いた克波が、自嘲した笑みを浮かべた
「小花さん、何か誤解して……」
「うるさいなぁ! 貴方に、関係ないでしょ」
あ。
…どうしよう
つい怒鳴っちゃった
桃香ちゃんの方がびくっとなる
怯えた目で、私を見ている
「そういう目で見られるの、大嫌いなのよ
いつでも被害者ぶってるから、西岡みたいな男に付け込まれるのよ
被害者面していれば、誰かが助けてくれるとでも思っているの?」
「小花!」
克波が怒鳴った
怖い顔をして、私を睨んでいる
初めてだわ
克波にそんな目で見られたの
「大きな声で、その場を支配しようとしたって無駄よ」
「それ以上、桃を傷つけるな」
「今までも、そうやって被害者ぶって助けてもらってきたのね
だから今回も、運よく西岡から守ってもらって、ずるい女よね
この世の中には、もっと辛い思いをして…助けてももらえず、自力で生きて行ってる人間だっているわ」
「いい加減にしろっ!」
克波が私の前に立ちはだかると、大きな手のひらで頬を叩いた
乾いた音が、生徒会室に響いた
どうして?
何で?
私は、自分の意見を言ったまでよ
なんで克波がそんなに怒るのよ
そんなに桃香ちゃんが好きなわけ?
私よりも、桃香ちゃんがいいわけ……?