禁じられた遊び
私の目頭がかあっと熱くなった

克波の目を睨んでから、私は生徒会室を飛び出した

「もう…嫌だっ!」

廊下を全力で走った

何で? どうして?

何がいけないの?

桃花ちゃんが来てから、克波がおかしい

どうして、克波が桃香ちゃんを守っているのよ

私なんか、どうでもいいわけ?

九条家を飛び出した女なんかどうでもいいわけ?

勇人だって

何で、桃香ちゃんと克波を見て苛々しているのよ

「どうして私ばかり辛い思いをしなくちゃいけないのよ」

急に手首を掴まれた

「小花」

勇人の声だった

落ち着いた勇人の声

温かい手が、私の手首を強く掴んでいる

私は勇人の手を振りほどこうとした

「誰も私の気持ちを理解してくれないのよ」

「小花」

勇人が私の腰に手をまわした

ぐいっと体の距離を縮めると、激しいキスをした

人目も気にせず、勇人がキスをする

私の唇を、求めた

「桃香ちゃんさえいなければ…って思ったの
いけないってわかっているのに
そんなの最低な人間が思うことだって…言いきかせてたのに、何度も何度も心の中で…桃香ちゃんさえいなければ、私や勇人や克波たちの関係が崩れないのにって
西岡君の声が耳に張り付いてとれないのよぉ!」

勇人の胸をこぶしで叩いた

何回も何回も、叩いて…そして涙を流しながら勇人の胸の中で声をあげた
< 137 / 200 >

この作品をシェア

pagetop