禁じられた遊び
私はベッドから出ると、制服に手を通した

こんなところに居たくない!

ここにいたら、私は変になりそうよ

誰も私を…見てくれてないもの

勇人なら、私を愛してくれているって思ってたのに…

もう勇人すら、私を見てくれていないのね

「小花? ……おいっ、何をしてるんだ!」

玄関に行こうとした私の腕を、勇人が掴んだ

右手には携帯を握りしめている

勇人は誰かと通話中のようだった

「また、後でかけ直す」

携帯を切ると、勇人は私の腰に手をまわした

「外に出るのよ」

「出てどうするんだ!
九条の人間に捕まるぞ」

「ここから出たいのよ」

玄関に向かおうと私は足を動かすのに、私の体はどんどん玄関から離れていく

勇人に引っ張られるがまま、寝室に舞い戻ってくると、ベッドの上に放り投げられた

「九条の部下が、ここを張っているんだぞ!
一人で外に出てみろ
克波のオヤジに殺されるぞ」

「なら、殺されるわ
いっそ死んだ方が、マシだわ」

勇人の目がつり上がった

怒りで、肩に力が入るのがわかった

「なぜ、そんなことを言うんだ!」

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