禁じられた遊び
「納得したところで、桃香も参加するか?」

良太郎があたしの手首をつかもうとする

あたしは良太郎の手を振り払うと、睨みつけた

信じられない
こんなの間違っているよ

変だよ

おかしいよ

なんで?

なんでママは……

「楽しい時間に邪魔してわりいな」

背後で、低い声がした

振り返ると、勇人さんが微笑んでいる

その横には克波君も立っていた

「な…んでここにいんだよ」

良太郎の顔がこわばった

勇人さんが前に出てくると、あたしを後ろに引っ張った

腕を掴む勇人さんの指が、食いこんで痛かった

「噂を小耳に挟んだのだけれど…
新種の薬を作っては、実験をしているとか?
まさか実験体が妻だったとはな」

勇人さんがほほ笑むと、携帯で写メを撮った

居間のテーブルには、小瓶に入った白い粉がある
それを勇人さんは撮ったみたいだった

「おい!」

お義父さんが、立ち上がると勇人さんの携帯を奪おうと襲いかかってきた

勇人さんは全く動こうとしない

危ない!

あたしは目をつぶると、お義父さんのうめき声が響いた

え?

あたしが目を開けると、勇人さんの前にテツさんが腰を落としてお義父さんの動きを封じていた

「テツ、遅いぞ」

「申し訳ありません」

「さて、と
ここにはもう用はねえな」

勇人さんが良太郎たちに背を向けた

え?

どういうこと?

意味が…わからないんだけど
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