禁じられた遊び
克波の顔が、歪んだ

え?

「小花、足に手を置くんじゃねーよ
痛ってぇんだよ」

ええ?

私は慌てて克波の体から手を離した

「何? どうしたの?」

私は克波の履いているズボンをめくり上げた

白い包帯で、足の太さが一回りほど太くなっていた

どうして、気づかなかったんだろう

克波の足の太さが、全然違うのに…

「何で? 西岡君ってそんなに強くないでしょう?
克波なら、負けるはず…」

「は? 西岡?
…んで俺が良太郎ごときにやられなきゃいけねえんだよ」

克波が、あきれたように言葉を吐き出した

「なら、この怪我は何!」

「ん? …まあ、それは…酔って気がついたら、こうなってたって説明しただろ」

私は頬を膨らませて、頬を左右に振った

「あれはウソでしょ?
だって、桃香ちゃんとホテルに行ってたはずよ」

「…んで、知ってるんだよ」

克波の表情が曇った

喉を鳴らすと、私から顔をそらした

やっぱり

桃香ちゃんと一緒にホテルに行ったんだ

「別に…やましいことはしてねえよ」

克波が言い訳をするように呟いた

「別に…そんなこと……気にして…ないわ」

「本当に?」

「少しは…気になるけど」

私は口をとがらせると、克波の隣に座った

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