禁じられた遊び
「俺を待つ必要はない
気にするな
明日も学校があるんだ
きちんと睡眠は取れよ」

「すみません」

パソコンから目を離した勇人さんが、振り返った

「何を謝る?」

「だって、あたし…何の力にもなれないし」

「『桃には桃に合ったレベルがあるんだ』ろ?
桃香ができることをすればいい
俺は、俺のできることをしているだけだ」

克波君が言った言葉を、引用していた

あたしにあったレベル

あたしができることをすればいい

あたしにできることって何だろう?

「眠れないと思っても、ベッドに横になってろ
いいな、横になれ」

「はい」

勇人さんは満足したように頷くと、すぐにパソコンに目を戻した

あたしにできること

明日の朝食…頑張って作ろうっと

料理くらいしかないよ

食材があればいいんだけど

あたしは、寝室に戻るとベッドに横になった

勇人さんに言われたとおりに、布団の中に入った

でも眠れないよ

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