禁じられた遊び
「んで…何ですかあ」

克波が興味なさそうに質問した

『お前、いくら金を出せる?』

「あ?」

『九条克海をどうにかしないと……だろ?』

克海……

今頃、どうしてるのだろう?

私のことを探しているのかな?

それとももう気にせず、新しい女を見つけたのかな?

「まあ、そうだけど」

『俺なら、どうにかできる
…で、いくら出す?』

「いくらでやってくれるんだよ
俺、親父に身ぐるみはがされたから大した金も持ってねえよ」

『お前も金がねえのか
まあ…いい
出世払いってことにしといてやろう
俺が明日、すべてを解決してやる
だが、お前も小花も手を出すな
約束できるな?』

「何すんだよ」

『企業秘密だ』

「それじゃあ、わからねえよ
任せっきりって俺の性に合わねえ」

『約束ができないなら、俺は助けない』

「わかったよ
何もしねえよ
普通に、小花を真面目に授業を受けるよ」

『よし
朝、登校前に桃香をそっちに行かせるから、テツの車で学校に行け』

「あ? ああ…って今、どこにいるんすか?」

『近くにいる
じゃあな』

小山内君のほうから電話をきった

克波は納得してない表情のまま、子機を元の位置に戻した

「確かに、怪我人の俺が足手まといなのはわかるけどさ……ってあれ?
何で、俺が足の骨を折れてるって知ってるんだよ!
桃だな!
あいつ…勇人さんに言いやがった!」

「小山内君は、たぶんこのマンションにいるよ」

「え?」

「桃香ちゃんのために、一部屋買ったみたいだったから」

克波が私の額にキスをした

「勇人さんがどこにいようが、勝手にしろって感じだよ
…てか、桃が俺との約束を破ったのが許さねえ」

克波がいたずらな笑みを浮かべた
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