禁じられた遊び
「小山内君って…強いよね」

「どうだろうな?
俺にはわからねえよ
勇人さんは隙のないヤツだけど、それが『強い』って部類に入るのか…
俺にはわからねえ
強え人だと、少し前まで思ってたけど、『強さ』にもいろんな意味があるってわかったからさ」

克波がさびしい目をした

「桃は馬鹿だけど、己の意思を貫く意思を強く持ってる
どんなに身体に傷がつこうと、意思を曲げねえ
それも『強い』って思うし
テツさんみたいに、襲いかかってくる人間を一瞬でねじ伏せるのも『強さ』とも言える」

克波が首を横に振った

「力だけが強くても、心だけが強くても、
それは完全な『強さ』じゃねえ
…って思った」

「克波……なんか、格好良く見える」

「俺は格好良くなんかねえんだ
ただ弱いとこを他人に見られたくなくて、必死なだけ」

克波が天井を見つめたまま、苦笑した

私は、克波も『強い』人間に見えるよ

それに比べて私は弱い人間だ…なって思う

少しことで、心がぐらついて…桃香ちゃんたちと傷つけちゃった

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