禁じられた遊び
第五章

桃香Side①

いつの間にか、あたしは眠っていた

眠れないと思ってたのに、すっかりベッドの中で深い眠りに落ちていた

目を開けると、外はもう明るくて、慌てて携帯で時間を確認した

時刻は7時だった

いけないっ!

朝食を作ろうと思ってたのに…すっかり寝坊だよ

あたしはベッドから出ると、急いで制服に袖を通す

髪をきっちり縛る

古傷を前髪で隠して、ピンで留めると居間へと飛び出して行った

居間には、知らない女性に上着を着せてもらっている勇人さんがいた

制服ではなく、黒いスーツに身を包んでいる

髪は、前髪をおろさずにすべてオールバックしていた

上着を着て、眼鏡を押し上げるとあたしの顔を見た

「メイドに、朝食の用意はさせた
それを食べて、学校に行け
決して一人になるな
このメイドと一緒に、俺の家に行け
んで、克波たちとテツの車に乗って学校に行くんだ
授業は受けなくていい
克波と小花と、生徒会室にいろ
いいな
約束だ、守れるだろ?」

黒い瞳で、あたしの顔を見る

勇人さんの顔が強張っている

緊張しているのかな?

あたしが頷くと、勇人さんの表情が若干解れた

「俺は、もう行くが…一人で平気だな?」

「え? あ、はい」

勇人さんがあたしの頭を撫でた

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