禁じられた遊び
『小山内君の言ったとおり、九条克海が動いたよ
殺人未遂で逮捕する
君との約束通り、この事実は公表しないから』

学校に向かっている途中で、藤城さんから連絡があった

藤城 竜也

警視庁捜査一課の係長だ

エリートで、将来を期待されている人

テツの同級生だ

テツが、信用している数少ない人物でもある

テツは明るくて調子者だけど、他人をあまり信用していない

甘えてくる人には、それ相応のおかえしはする
…がそれは、お返しであって仲良しという証拠にはならない

テツほど、冷たいヤツは俺はみたことがない

が、信頼関係が築くと絶対に裏切らない

そういうヤツだ

俺達は育った環境を間違えた

厳しすぎたんだ

父上も、母上も

俺を我が子として接してくれなかった

小山内家の後継者としてしか見てくれず、成績が第一だ

結果がすべてだった

だから、負けることは許されない

誰かに弱みを見せることも許されない

甘える行為を知らずに、育った

どこに敵が潜んでいるかわからない状況で、生きてきた

弱き心は、弱点となる

弱点は、敵に敗北を与える隙となる

だから見せてはいけない

俺はそういう家で育った

「そうか…俺は甘える場所が欲しかったのか」

俺は携帯をポケットから出すと、桃香にメールした
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