禁じられた遊び
私は克海の隣に座った

本当は違う場所に座ろうと思ったのに、克海に腕を掴まれてしまったのだ

母の次は、私……ということなのだろうか?

私は克海の横顔を眺めた

首筋に無数の痣があった

キスマークだ

海外のあちこちに愛人はいるだろう

日本に戻ってくる間中、プライベートジェット機の中で楽しんできたといったところ?

「小花は香水をつけているのか?」

克海が鼻をヒクヒクさせた

「はい」

克波がつけろと渡してきた香水を毎日つけている

克波が好きな匂いなのだろう

「私はこの匂いは好きじゃない
他のを買ってやろう」

二コリとすると、克海が行きつけの店に行くように運転手に指示をした

え?
これから行くの?

克波の夕飯を作らないとなのに……

すっと、克海の手が私の太ももにいく

「小花にたくさん、お土産を買ってきたよ
ぜひ、小花に似合う香水をつけて私の前でファッションショーをしてくれ」

「お土産って服ですか?」

「ああ、もちろんだよ
どうせ克波が、小花の服を選んでいるのだろう?
あいつの趣味は悪くて、見ていられん」

太ももを撫でる手のひらが、だんだん湿ってきた

気持ち悪いかも

「知っているんだよ
小花は克波にいくらで買われているんだ?
私がもっと高値で小花を抱いてあげよう」

克海が耳元で囁いた

熱い吐息に吐き気がする

私から見れば、克海も克波も同類だ

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