禁じられた遊び
嘘?

なんで克波がそんなことをするの?

「大丈夫だから」

「駄目だよ
痛いんだろ?」

「痛い…けど」

「金を稼ぎたいなら、体を大事にしろ」

「……うん」

どうして?

克波はどうしてこんなに優しいの?

優しい男だった?

もっと非道で我がままで、私の都合なんてお構いなしな男だったはず…なのに、どうして今はこんなに優しいの?

克波は私を抱いたまま、家の中に入って行った

「何をしている」

二階から、克海の低い声が聞こえてきた

克波は足を止めると、吹き抜けになっている二階を見上げた

私は降りようともがくが、克波が私を強く抱きしめた

「動けなくて、運転手が困ってたから部屋に連れて行ってやろうと思って」

「ふん、小花はもうお前だけのモノじゃない
私の了承も得ずに触るなんて、許される行為じゃないぞ」

「馬鹿馬鹿しい」

克波がいい捨てた

呆れた顔をして、表情を崩している

「聞き捨てならない発言だな?
私はお前の父だぞ
言葉を慎め
大きな態度は許さん」

「勝手に怒ってろよ
俺は小花を部屋に連れていくだけだ」

克波はまた歩き始めた

2階にあがる

「私の部屋は1階じゃ…」

小さな声で克波に質問する

「父親の権限で、小花は俺の隣の部屋になった
一部屋もらったんだよ
これからはメイド扱いじゃない
親父の愛人にランクアップだ
良かったな
大金を動かせる」

抑揚のない声で克波が説明してくれる

私が、克海の愛人?

母の立場を……私が受け継ぐっていうの?

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