禁じられた遊び
どうして克波はそんなに冷静でいられるの?

怒ってないの?

私が、克波から克海に乗り換えたのよ?

なんで優しくするのよ

心が痛くなるじゃない

苦しくなるじゃない

廊下を克波が歩いていく

私の新しい部屋に向かって、克波はどんどん進んで行った

「克波!」

克波の背中に、大きな声が突き刺さる

克波が足をとめて振りかえると、怖い顔をして克海が睨んでいた

「小花は私のモノだ
小花に手を出したら、お前でも許さないぞ」

「それって俺に対する脅迫?
不必要だよ
立場はわきまえている
そんなに気になるなら、一緒にくれば?
ずっと俺の行動を監視してろよ」

「わかっているなら、良い」

克波が克海に背を向けて、再び歩き始める

「バカバカしい」

克波が小声で呟いた

「小花は誰のモノでもないのにな」

ふっと克波がほほ笑むと、新しい部屋のドアを開けてくれた

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