禁じられた遊び
桃香Side④
「西岡 桃香」
「は、はい!」
居間にあるソファに座ったばかりの私は、勇人さんの呟きに驚いて立ち上がった
「あ?」
何かを見ていたらしい勇人さんが、不思議そうに顔をあげる
お前を呼ぶために、名前を言ったわけじゃない…と言いたそうな顔をしている
「す…すみません」
あたしは、肩をするめるとソファに座った
勇人さんはダイニングルームにあるテーブルにあたしの生徒手帳を置いて、眺めているようだ
汚れた制服を処分する際に、ポケットから出しておいてくれたのだろう
「私さ、決めたから」
あたしの隣に座っている貴美恵さんが、振り返って勇人さんの方を見た
「ろくでもねえ考えを聞く気にはなれねえな」
不機嫌な声で勇人さんが答える
あたしの生徒手帳をぱらぱらを捲って、中身を興味なさげに見つめている
「聞く気がなくても、耳に入れるのよ」
「はあ?」
「いい?
今日から勇人は、桃ちゃんの彼氏よ
全力で桃香ちゃんを守りなさい」
生徒手帳を捲っている手を止めると勇人さんは、ぎろりと眼球を動かした
ソファに座っている貴美恵さんを睨むと、ため息をついた
「彼氏?」
「そうよ、意味はわかってるわよね?
恋人同士になるってことだけど」
「くだらねえ」
「す…すみません!
貴美恵さん、やっぱりやめましょうってあたしは一人でも平気ですから」
あたしは貴美恵さんの腕を掴んで、必死に首を左右に振った
「桃ちゃん、勇人の『くだらねえ』にはいろんな意味があるのよ
さっきのは、『了解。彼氏として全力で桃ちゃんと守る』っていう意味の『くだらねえ』よ」
え?
違うと思いますけど
明らかに嫌がっているように見えましたよ
全然『了解』なんて思ってないと思います
貴美恵さんはにっこりとほほ笑んで、私の手を優しく包み込む
「は、はい!」
居間にあるソファに座ったばかりの私は、勇人さんの呟きに驚いて立ち上がった
「あ?」
何かを見ていたらしい勇人さんが、不思議そうに顔をあげる
お前を呼ぶために、名前を言ったわけじゃない…と言いたそうな顔をしている
「す…すみません」
あたしは、肩をするめるとソファに座った
勇人さんはダイニングルームにあるテーブルにあたしの生徒手帳を置いて、眺めているようだ
汚れた制服を処分する際に、ポケットから出しておいてくれたのだろう
「私さ、決めたから」
あたしの隣に座っている貴美恵さんが、振り返って勇人さんの方を見た
「ろくでもねえ考えを聞く気にはなれねえな」
不機嫌な声で勇人さんが答える
あたしの生徒手帳をぱらぱらを捲って、中身を興味なさげに見つめている
「聞く気がなくても、耳に入れるのよ」
「はあ?」
「いい?
今日から勇人は、桃ちゃんの彼氏よ
全力で桃香ちゃんを守りなさい」
生徒手帳を捲っている手を止めると勇人さんは、ぎろりと眼球を動かした
ソファに座っている貴美恵さんを睨むと、ため息をついた
「彼氏?」
「そうよ、意味はわかってるわよね?
恋人同士になるってことだけど」
「くだらねえ」
「す…すみません!
貴美恵さん、やっぱりやめましょうってあたしは一人でも平気ですから」
あたしは貴美恵さんの腕を掴んで、必死に首を左右に振った
「桃ちゃん、勇人の『くだらねえ』にはいろんな意味があるのよ
さっきのは、『了解。彼氏として全力で桃ちゃんと守る』っていう意味の『くだらねえ』よ」
え?
違うと思いますけど
明らかに嫌がっているように見えましたよ
全然『了解』なんて思ってないと思います
貴美恵さんはにっこりとほほ笑んで、私の手を優しく包み込む