禁じられた遊び
勇人さんって本当にすごい人なんだ

良太郎の動きを、名前を呼ぶだけで止めてしまえるなんて…信じられない

紫桜学院高等部の生徒会長って相当な力があるのかな?

「だって義妹が小山内会長に失礼なことをしたのでしょう?」

「西岡、俺はまだお前に一言も話をしていない
勝手に勘違いをするな
桃香は今日から生徒会役員となった
だが、本人が家族の意見を聞かないと…と言うから、この俺様が直接聞きにきた」

背筋を伸ばして、勇人さんが口を開く

「桃香が生徒会の役員ですか?」

義父が驚いた声をあげた

どうして、驚くの?

意外なことなの…かな?

「こいつが?」

良太郎も眉間に皺をよせている

納得いかないと顔に、書いてあった

学校のシステムがいまいちに、理解できてないあたしには、二人が驚いている理由がわからない

「西岡、口を慎め」

「申し訳ありません」

良太郎が不機嫌そうに謝った

「桃香が役員になることを了承していただけますね?」

お義父さんが大きく頷いた

「娘を小山内様に気に入っていただけて、至極光栄でございます」

お義父さんが、深く頭をさげた

テーブルに額をついてしまうのではないか?と思うほど、深かかった

「そういうことだ
西岡も桃香に安易に触れることは禁ずる
いいな?」

勇人さんが、良太郎を睨んだ

良太郎が唇を噛みしめ、悔しそうな表情で渋々、頷いた

『安易に触れることを禁じる』ってどういう意味?

役員になっただけでしょ?

何か深い意味があるの?

やっぱり金持ちの世界ってわからない

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