禁じられた遊び
玄関で勇人さんが靴を履いていると、良太郎も下駄箱から靴を出してくる
お義父さんも、玄関に出ている皮靴に足を入れようとする
男二人が、外まで見送りに出るなんて……やっぱり勇人さんって凄い存在の人なんだ
そんな人に命令ができちゃう貴美恵さんはもっと凄い人なのかな?
「むさくるしい見送りならいらない」
勇人さんが、良太郎たちにむかって言葉を投げる
「あ…でも」
良太郎が口の中でもごもごと言葉を詰まらせた
「桃香だけいればいい」
…はい?
ってことは、私が見送るってこと?
お義父さんと、良太郎の鋭い視線が一斉に身体に突き刺さった
あたしは、学校指定の皮靴を慌てて履こうとして、靴下のまま2歩前に進んでしまった
「桃香、焦らなくていいから」
勇人さんが、転びそうになるあたしを支えてくれる
支えてくれた手がそのまま、あたしの腰に移動する
え?
なんで?
どうして?
「靴!」
良太郎の厳しい声が耳に入る
「あ、はい」
あたしは焦りで、うまく靴が履けない
まるで靴が勝手に踊っているかのように、くるりと回転してしまう
あ…もう!
恥ずかしいなあ
あたしの頭上で、「くすっ」っと笑う声が聞こえた
また…勇人さんが笑った?
あたしが勇人さんの表情を見ようと見上げると、そこにもう人の姿がなかった
あれ?
「桃香、ほら……」
え?
勇人さんの声が下からしてきた
下を見ると、しゃがんであたしの靴を持っていてくれた
ええっ?
どうして、そんなことまで…
「これなら履けるだろ」
「え…あ、うん」
お義父さんも、玄関に出ている皮靴に足を入れようとする
男二人が、外まで見送りに出るなんて……やっぱり勇人さんって凄い存在の人なんだ
そんな人に命令ができちゃう貴美恵さんはもっと凄い人なのかな?
「むさくるしい見送りならいらない」
勇人さんが、良太郎たちにむかって言葉を投げる
「あ…でも」
良太郎が口の中でもごもごと言葉を詰まらせた
「桃香だけいればいい」
…はい?
ってことは、私が見送るってこと?
お義父さんと、良太郎の鋭い視線が一斉に身体に突き刺さった
あたしは、学校指定の皮靴を慌てて履こうとして、靴下のまま2歩前に進んでしまった
「桃香、焦らなくていいから」
勇人さんが、転びそうになるあたしを支えてくれる
支えてくれた手がそのまま、あたしの腰に移動する
え?
なんで?
どうして?
「靴!」
良太郎の厳しい声が耳に入る
「あ、はい」
あたしは焦りで、うまく靴が履けない
まるで靴が勝手に踊っているかのように、くるりと回転してしまう
あ…もう!
恥ずかしいなあ
あたしの頭上で、「くすっ」っと笑う声が聞こえた
また…勇人さんが笑った?
あたしが勇人さんの表情を見ようと見上げると、そこにもう人の姿がなかった
あれ?
「桃香、ほら……」
え?
勇人さんの声が下からしてきた
下を見ると、しゃがんであたしの靴を持っていてくれた
ええっ?
どうして、そんなことまで…
「これなら履けるだろ」
「え…あ、うん」