禁じられた遊び
え?

もしかしてあたし、勇人さんの機嫌を損ねたの?

「良太郎様の出発前に、桃香様をお迎えにあがる姿を見せたいだけなんですよ
だから少し早いんです」

テツさんが補足説明をしてくれる

ああ、そういうこと…って何で?

よくわからないけれど、これ以上質問して、勇人さんに睨まれるのは嫌だな

「わかりました」

「あ、それとこれ、勇人様の携帯番号です
何かあったらすぐにご連絡ください
かけづらいようなら、僕でも構いませんよ
裏に書いているのが、僕の番号ですから」

名刺サイズのカードを一枚、テツさんから渡された

勇人さんの携帯番号とメールアドレスが印字されている

裏には、テツさんの携帯番号とメールアドレスがボールペンで書かれてあった

待っている間に書いてくれたのだろうか

テツさんて、よく気がきくし、優しい人だなあ

「ありがとうございます」

あたしはテツさんに頭をさげた

「気にしないでください
勇人様のご命令ですから」

「え?」

「くだらねえ
さっさと帰るぞ」

車に乗っている勇人さんが、つまらなそうにつぶやいた

きっとテツさんが気をきかせてくれたんだ

本当に、ありがとうございます…テツさん

あたしは心の中で、テツさんのお礼を言った

テツさんがあたしにほほ笑むと、運転席に乗り込んだ

< 47 / 200 >

この作品をシェア

pagetop