禁じられた遊び

小花Side④

「か…つ、はぁ」

私の口から熱い息が漏れる

ベッドの上でうつぶせになり、シーツを掴んだ

「俺の名を呼ぶな」

え?

克波の冷たい言葉が返ってきた

どうして……

そっか

私が克海のモノになったから、もうダメなんだね

でも、我慢できないんだもん

傷ついた場所に薬を塗ってくれる克波の指が、私の体を熱くする

克波が欲しいって体が訴えている

おかしいね

数時間前まで、克波とホテルにいたのに

克波に抱かれて、克海にも抱かれて、体は疲れているはずなのにね

「ずいぶん、荒れてる
2,3日はセックスすんなよ…って言ってもやるんだろうなぁ」

克波がため息をついた

「克海の欲望は尋常じゃない
俺はもう小花を守れない
それだけは覚えておけよ」

克波が私から離れた

私の体が、いまどんな状況か知っているのに

克波は何事もなかったように、薬を箱の中に入れると部屋を出て行った

広い部屋に、私は一人残された

克海の愛人…か

『俺はもう小花を守れない』って守ってくれたことなんて、一度もないくせに

私は起き上がると、足もとに丸まっている布団を首までかけた

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