禁じられた遊び
「小山内君が、そんな風に言うの珍しいね」
『くだらねえ』
「そっか
お気に入りの子なんだ
…西岡って姓がちょっと引っかかるけど」
私は肩を揺らして笑った
小山内君がどんな顔をして「くだらねえ」って言ったのか
なんとなく想像できたから
面白かった
むすっとしながらも、少し頬を赤らめて恥ずかしそうにしているはずだ
正直じゃないんだもんなあ、小山内君って
優しいのに
冷たいふりをして
わざと怖い顔をなんてしてさ
人と距離をあけたがる
人を信用したいって思っているくせに、信用するのが怖い
信用して裏切られるのが怖いから、他人を遠ざける
そんな人が、気になっている子だから、私も会うのが楽しみだな
『あいつだって、好きで『西岡』になったわけじゃない
すぐに離婚するさ
あんな父親なんだ…仮面をかぶっている男だって、あいつの母親だって気づくだろ』
「どうかな
再婚なんでしょ?
次こそは幸せになりたいって我慢しちゃうんじゃないの?
それなり経済力もある家でしょ?
娘の将来を考えると、母親は頑張るものじゃない?」
私の母も…九条に逆らわなかった理由の一つだった
母が愛人であれば、私が良い紫桜学園に通えるから…将来のために
でも克海と母の間に、愛があったかもしれないけど
わからない
たぶん、一生わからないと思う
『そうだな
必要以上に頑張りそうな母娘(おやこ)だった
くっだらねえ人生だな』
「そう思うなら、小山内君が助けてあげればいいじゃん」
『……俺か?
俺には無理だ…俺には……できない』
小山内君?
苦しそうな声をしている
どうして?
だってそこまで助けたなら、小山内君ならできそうだけど
『くだらねえ』
「そっか
お気に入りの子なんだ
…西岡って姓がちょっと引っかかるけど」
私は肩を揺らして笑った
小山内君がどんな顔をして「くだらねえ」って言ったのか
なんとなく想像できたから
面白かった
むすっとしながらも、少し頬を赤らめて恥ずかしそうにしているはずだ
正直じゃないんだもんなあ、小山内君って
優しいのに
冷たいふりをして
わざと怖い顔をなんてしてさ
人と距離をあけたがる
人を信用したいって思っているくせに、信用するのが怖い
信用して裏切られるのが怖いから、他人を遠ざける
そんな人が、気になっている子だから、私も会うのが楽しみだな
『あいつだって、好きで『西岡』になったわけじゃない
すぐに離婚するさ
あんな父親なんだ…仮面をかぶっている男だって、あいつの母親だって気づくだろ』
「どうかな
再婚なんでしょ?
次こそは幸せになりたいって我慢しちゃうんじゃないの?
それなり経済力もある家でしょ?
娘の将来を考えると、母親は頑張るものじゃない?」
私の母も…九条に逆らわなかった理由の一つだった
母が愛人であれば、私が良い紫桜学園に通えるから…将来のために
でも克海と母の間に、愛があったかもしれないけど
わからない
たぶん、一生わからないと思う
『そうだな
必要以上に頑張りそうな母娘(おやこ)だった
くっだらねえ人生だな』
「そう思うなら、小山内君が助けてあげればいいじゃん」
『……俺か?
俺には無理だ…俺には……できない』
小山内君?
苦しそうな声をしている
どうして?
だってそこまで助けたなら、小山内君ならできそうだけど