禁じられた遊び
「桃香ちゃん、よろしくね
私は副会長の涼元小花よ」

私は桃香ちゃんの前に立って、手を出した

桃香ちゃんは嬉しそうにほほ笑むと、私の手を握ってくれる

「あ、昨日転校してきました西岡桃香です
よろしくお願いします」

「克波、あっちに行ってて」

「は? なんで勇人さんの部屋なんだよ」

「女同士の話をするのに、男は不要でしょ?」

「…んだよ、それ」

克波は不満そうにブツブツつぶやきながら、会長室に入って行った

「ま、とりあえず座って話をしようか」

「はい」

「生徒会役員って言ってもねえ~…女子はやることないのよ
小山内君と克波の二人で処理しちゃうから
私のやっていることは、掃除とお茶菓子の用意くらい?
桃香ちゃんって料理得意?」

「え?」

私は桃香ちゃんの指先に触れた

「炊事をしている手だから
お料理が得意かなって思って」

「手荒れが酷いですよね…すみません」

「違うのよ
料理が上手なら、調理室を借りてお菓子でも作らない?って誘いたかったの
いつも市販のお菓子だと、小山内君や克波の身体によくないから」

「はあ…」

「一緒に作ろう」

「はい、私でよければ」

「良かった」

私、桃香ちゃんとは仲良くなれそう

克波や克海との関係は言えないけど

女子のお友達ができるかもしれないな

他の女子って、なんか立っている世界が違うんだよね

だけど桃香ちゃんとは、世界が似ている気がする

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