禁じられた遊び

小花Side④

「さあ、どうぞ」

私は生徒会室のテーブルに、クッキーを盛った皿を置いた

「へえ~、手作りなの?」

克波が、興味津々な目をして皿を覗き込んできた

「桃香が作ったのはどれ?」

「え?」

「は?」

思わず私が声が出てしまう

私と同じように、書類を眺めていた小山内君も驚きの声をあげていた

なんで?

克波、どうしちゃったの?

「なあ、桃香のはどれ?」

克波が桃香の腕を肘でつつきながら質問している

「九条?」

小山内君が書類から目を離して、克波の顔を見つめていた

「何?」

「随分、親しくなったんだな」

「まあな
サボり仲間だから」

「サボり?」

小山内君の顔が険しくなった

「え…あっ、鞄をどこに忘れちゃったかわからなくなって……
あははっ」

桃香ちゃんが、苦笑いを浮かべる

あまりその話題には触れたくないみたいな顔をしている

克波と一緒に授業をさぼって何をしていたの?

…なんて聞けないか

気になるけど

私に聞く資格はない

桃香ちゃんの鞄は生徒会室に置いてあったのに……

『どこに忘れちゃったかわからない』なんてどうしてそんな嘘つくの

1限と2限の休み時間に取りに来たじゃない

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