禁じられた遊び
あたしは前を向いて歩きだした

今日はもう帰ろう

なんだか、ママの笑顔が見たくなっちゃったよ

家に帰れば、良太郎がいるけど

ママに甘えたいな

自分にできることをする

あたしにしては珍しく前向きな意見を言ったかも

他人たいしては言える言葉でも、自分で実行するって大変なんだよね

克波さんと互いのすべきことを話して良かったな

あたしも頑張れそうな気がしてくるから

できることなんて少ないし、逃げちゃうかもしれないけれど

克波さんも頑張ってるんだって思ったら、良太郎から逃げずに頑張れそう

でも、痛いのはちょっと…嫌だけど

痛くならない方法を考えるのもいいね

良太郎の怒りをかわないようにする方法ってあるのかな?

「勝手に帰ろうとしてんじゃねえよ」

階段の上から、低い声が聞こえてきた

「え?」

あたしは足を止めると、振り返る

夕陽を背にして立っているのは、勇人さんだった

反射して、表情まではわからないけど…声はいつもの通り不機嫌だった

あたし、また怒らせるようなことしたのかな?

< 96 / 200 >

この作品をシェア

pagetop