おいしい紅茶を飲む前に
「あら。ジェラルド様が直々に?」

「そりゃね。エスコートを引き受けたからには、私は最初から最後まで、きっちんと面倒みるんでございますよ。知ってるでしょ? メアリーちゃん」

「……最後の方を、詳しく」

「まーさか、それで怯えたりしないだろうねぇ、君は」


 ジェラルド様、話の内容から察するに、その外観をも生かして社交界で相当楽しく泳いでいらっしゃる様子。

メアリーちゃんは、小首をかしげて少し笑っただけで、なにも答えないでその言葉を受け流した。


「何時にしましょうか。私たちの夜の始まりは」
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