おいしい紅茶を飲む前に
 大通りから外れて細い道へ入る。

三軒目のドアの前に、人だかりができていた。

異常があったことは、一目でわかる。煤にまみれた煉瓦の壁。

 足は止めないままにしても、シェリルは少し考えた。


 フレディは、職業意識に動かされているのかもしれない。

だとすれば、絶対は確かに絶対になる。本気で怒ると、お兄ちゃんは怖いのだ。それはそれは。

 到着した日、そして続く二日目に、すでにそのような騒ぎを起こしていた彼女が、先程の意見も忘れ去り、弱気になって引き返そうとしたところで、フレディが一人の女性の腕に手をかけた。


 職業、とはもしかしたら関係がないかも。
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