おいしい紅茶を飲む前に
「お、こちらが妹さんかね」

「シェリルだ。シェリー、こちらが」

「レスリー・コクラン。頼りにしていい相棒だよ」

「いつも兄がお世話になっています」

「そんなことより」


 まだ続くはずだった挨拶は、そんなこととして片付けられ、フレディは多少慌て気味にふたりの間に割り込んだ。


お兄ちゃんの、聞かせるわけにはいかない話を、どうやらコクラン氏は握っているらしいことが、これではっきりしてしまった。

いずれ隙を見て聞き出そう。シェリルはもちろん、決意を固める。


「何かあった? レスリー」
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