おいしい紅茶を飲む前に
よく眠れたとはいえそうもない顔色ながらも、妙に穏やかな表情でカップを傾ける彼に、そんな言葉をぶつける気になったのは、ただただ、おもしろそうだから。
多少、大義名分的な理由をくっつけるとすれば、お兄ちゃんを独り占めできなくて寂しい、見たいな感情に由来する八つ当たり、とも可能ではある。
一応は。
「すてきな恋人が見つかったのね」
瞬間。
すべての音がなにか得体の知れないモノに吸い込まれ、消えたような沈黙が走り抜けていった。テーブルのこちら側で、おば様が口に手を当てる。
驚き、だけどそれは楽しげな。
がちゃん、などと言う不協和音を立てて、カップをソーサーにぶつけつつ、フレディは期待通りの反応を見せてくれる。
多少、大義名分的な理由をくっつけるとすれば、お兄ちゃんを独り占めできなくて寂しい、見たいな感情に由来する八つ当たり、とも可能ではある。
一応は。
「すてきな恋人が見つかったのね」
瞬間。
すべての音がなにか得体の知れないモノに吸い込まれ、消えたような沈黙が走り抜けていった。テーブルのこちら側で、おば様が口に手を当てる。
驚き、だけどそれは楽しげな。
がちゃん、などと言う不協和音を立てて、カップをソーサーにぶつけつつ、フレディは期待通りの反応を見せてくれる。