あいの手紙
さくらの季節
1
上を見上げれば
一面さくら色の世界。
爽やかな風が
わたしの頬を
かすめてゆく。
こんな晴れた日には
何か特別なことでも起こるんじゃないかって
青春の乙女心は期待してしまう。
「ゆっこー!!先行っちゃうよぉ―!」
「あ、ごめん。今行く!!」
友達のコズエが、道の反対側で大きく手を振っていた。
新しい世界への期待に胸膨らませ、
私は力強く最初の一歩を踏み出した。