あいの手紙




「ゆらぁー?
 どうしたの?」


今目の前には

ニコニコ嬉しそうに私を見つめる涼がいる。



目の前のポテトをつまみながら、そこまで話をせっつく訳でもなく



どちらかというと
この状況を楽しんでいるような口調だ。




やっぱり聞けないっ!
聞きたくないっ!



ここまできたのに
それもないだろうと

こころの中の私は思うのに。




口は開こうともしないし、喉はなんだかカラカラしてうまく喋れそうにもない。





「りょ、涼あのねっ!」


そこまで言って続きが出てこない。



涼はそんな私の様子を不思議そうに見て小首を傾げる。



じつはさっきからこれの繰り返し。




待ち合わせ前は
昨日のことを聞くぞ!と意気込んでいた私の気合いもいつしか、
しわしわの風船みたいに小さくしぼんでいた。



「由良ちゃん可愛いー。」



私の意気込みを知ってか知らずか。
涼は力の抜けた私の頭をなでなでしてる。




キュンと胸が縮む。



私が撫でてあげたいくらいだっ!



可愛い涼の顔を見上げてそう思ってしまうのは仕方ない。



きっと涼相手なら100人に100人がそう言うだろう。




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