あいの手紙




そうこうしているうちに、結局何も聞けずに
時間だけが過ぎた。




「由良ちゃん、そろそろ帰らなくても大丈夫なの?」



「えっ!?あれ?もうこんなに真っ暗!?」




今は夏時間で暗くなるのはまだ早い…


と 時計を見てみると針が7時30分を指していた。



「えぇっ?!もうこんな時間!!あーもーどうしようっ!」



結局涼に聞けなかったじゃんかぁー!!!


がっくりと肩を落とす私に、涼優しく声をかけてくれる。




「俺、家まで送ってっていい?」




そりゃもちろん!


「うん!」



即答です。


やった!と喜ぶ涼を見てると私なんで疑ったりしてるんだろって


自分がすっごく悪者に思えてきた。









「由良ちゃん、勉強たいへんー?」



「うーん…今が頑張り時って感じかな?」


そっかぁー…と言って涼は夜空を仰ぐ。



私たちは近道である公園を突っ切っている。



昼は沢山の人で賑わうこの公園もこの時間は人影も少なく静かだった。




その中を他愛もない話をしながらブラブラ歩く私たち。


いちよう私の家に向かってるという目的地はあるけれど。




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