あいの手紙





一昨日みたいにどうしてすぐに逃げなかったのか自分でもわからないけど、



どこか、涼に限って浮気なんてないって
前よりも信じられるようにはなったのかな…



まぁまだ少しは疑ってはいるけれど。





さっきから聞き耳をたててはいるものの全然会話は聞こえてこない。




いい加減粘るのもやめて帰ろっかな・・・



こんなこそこそと詮索するのも嫌だし。



「麻結ごめん。そろそろでよっか。」



会わなくていいのー?と麻結は言ってくるけど、こんな状況で会うのって気まずいし、



ただの友達だよね、涼?





「あたし、ちょっとお手洗い行ってくる。」



そう断って、私はこっそりと涼に見つからないように席を立った。





はぁー…寝不足かなぁ。
鏡の前に立ってみると、うっすら目の下に隈ができている。



最近根詰めてたからなぁ。


ふぅとため息をついていると、誰かがトイレに入ってきた。

おっと、麻結のとこ戻らなきゃ。
そう思って場所を譲ろうと体を傾けて見えたその顔に私は驚きを隠せなかった。


くるっとウェーブのかかった背の小さい女の子。

涼と一緒にいた女の子だった。


鼻歌を歌いながら、ニコニコ入ってくる彼女に足が縫い付けられたように一瞬、動けなくなる。


心臓がドキドキと大きく波打つ。



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