あいの手紙
「由良ちゃん!」
ニコッと笑ったと思うと勢いよく私に飛び付いてくる可愛い彼氏。
ほんと子犬みたい。
自然と私の頬も緩む。
「こんなところであえるなんてすっごい偶然だね!」
キュッと抱きしめる力も強くなる。
「う、うん!そうだね。それはそうと涼…ちょっと離して?」
ここは他のテーブル席からも丸見えの通路の入口。
さっきからチラチラ見てくる他のお客さんの視線が恥ずかしい!
えーっと不満を残しながらも、やんわりとその腕から解放される。
「麻結さんと来てるの?」
「うん。涼は誰と…」
そこまで言ってしまってはっと気がついた。
しまった!と思ったときにはもう遅くて。
なのに、涼ったら
「友達だよ。」
って普通に言ってのけるものだから拍子抜けしてしまった。
多分、他意もなくほんとうにただの友達だから
そう言うのだろうけど、
逆に
女の子と2人なんだからいくら友達とはいえ少しくらい焦ったって…
むしろ、そんなに平然としていると嘘ついてるんじゃないかって
不安に思っちゃうよ。