あいの手紙
俯きくぐもった声で尋ねる。
「…二人で何話してたの?」
やだ!こんなの聞きたいつもりじゃないのに。
けれど私の
口をつくのは、嫌味な質問。
「な、何って・・・」
涼も困ったように言葉を詰まらせる。
「涼さ、最近私に秘密にしてること多くない?
一昨日だって私の大学来てたでしょ!なのに声かけてくれないばかりか、教えてもくれなかったじゃないっ!!そりゃ、私高校生じゃないし、いつも一緒にいられるわけでもない。それにいくら彼氏だからって全部が知りたいとかわがままなんて言えないのはわかってるけど…!!
・・・私は涼の何なの?最近私の知らない涼ばかりがみえて…私置いてかれてるみたいで・・・
寂しいよ。」
一筋の涙が零れる。
ポタリと落ちて地面に吸収された。
反応のない涼。
私を掴む手の力はもう緩んでいた。
そっとそこから手を抜いて、何も言わずに背を向けた。
沈みゆく日を見ないように、
涼の顔が見えないように、
後悔に押し潰されながら、その場に崩折れまいと辛い心に鞭打った。