あいの手紙



コンビニの明かりに照らされた道路がぼんやりと浮かび上がる。




ガラスを一枚隔てた向こうは蒸し暑い夏の夜。


店内の涼しい空気に触れ、幾分か熱を持った体も冷まされた。




く、くる・・・!




透明な壁を一枚隔てた向こう側。

ついに対面のときだ!


捕まえてやろうとか妙な意気込みがあって。



興奮する私を隣で漫画を読んでいるおじさんが訝しそうに見てくる。


けど、そんなこと気にならないくらいに、


今の私の意識は
待ち受ける男の方へと向かっていた。




ドキドキドキ…




しかし、この興奮とは裏腹に

そのとき、
ようやく現れたその男の姿に



私は心臓が止まってしまうんではないかと思った。



自分の目を疑った。



けれど、それは疑いようもなければ


目を逸らすことも許されない。





私が今1番会いたくて、会わなくちゃいけなかった人。



その見知った顔が懐かしく思うよ。





「……涼」


無情にもその横顔は私に気付くことなく横切って行く



「・・・っ!」



涼!


思わずそう呼び掛けてしまいそうだった。




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